成果報告

電池界面評価のための表面力装置の実用化

栗原 和枝

事業化プロジェクト2
CTO

栗原 和枝

東北大学 教授
未来科学技術共同研究センター

 科学から技術開発を支援し社会に貢献したいと、従来から活動してきました。本プロジェクトでは、我々の有する界面評価技術を活用し、実電池ならびにモデル電極を用い電極の界面膜の特性や形成機構を研究し、幸い多くの知見を得て、電池開発に貢献しました。大学で実電池を対象とし研究することは貴重な機会と思い、モデル系とのデータの対応を確認しながら研究を進めました。

 電解液の粘度評価のために開発した世界最少量の粘度計では、共振法を用いることで、超微量化を実現しています。低粘度液体を精度高く測定できることも特色です。当プロジェクトでは人材育成として、様々な分野の学生と研究を進めました。幸い、従来にない多くの用途を見出すことができ、装置を製造販売するSMILEco計測株式会社を起業しました。多くの必要とする方にこの粘度計・レオメータを使っていただきたいと思います。

事業化プロジェクト2 事業化に向けての研究開発ロードマップ

事業化プロジェクト2  事業化に向けての研究開発ロードマップ

【概要】電池界面評価のための表面力装置の実用化

 PJ2ではコア技術である表面力装置を中心とする世界トップの界面評価技術により、界面膜(SEI)形成機構と添加剤の効果を解明し、その間に得た知見でPJ1の電池開発に貢献しました。
 さらに、東北大学栗原研究室において開発してきた表面力・共振ずり測定と呼ぶ独自の先端計測装置を基盤として、世界最小の試料量2 μLで粘度を測定できる「超微量粘度計」を開発しました。
本装置を用いて、蓄電池から回収した電解液粘度の測定を実現し、添加材の種類による違いを評価しました。さらに、超微量粘度計を機能材料、血液、唾液の粘度の測定にも展開しました。医療・健康、劣化診断など、様々なニーズが見出いだされており、多くの人に装置を提供をしたいと考え、超微量粘度計の製造販売のためにSMILEco計測を起業し (2022年1月)、販売を開始しました。

【概要】電池界面評価のための表面力装置の実用化
【概要】電池界面評価のための表面力装置の実用化

【成果報告】電池界面評価のための表面力装置の実用化

 世界トップの界面評価技術により、界面膜(SEI)形成機構と添加剤の効果を解明し、その間に得た知見でPJ1の電池開発に貢献した。

【成果報告】電池界面評価のための表面力装置の実用化
【成果報告】電池界面評価のための表面力装置の実用化

【成果報告】超微量粘度計の実用化に成功

【成果報告】超微量粘度計の実用化に成功

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